第184章 こうしてしくじった

工藤達央は鼻で笑い、淡々と有村菜津美へ言い放った。

「有村さん。それ、理由になってないよな。勝負は勝負、負けたら払う。そういう筋は、この場にいる全員が分かってる」

「要するに、踏み倒すつもりだろ? それは通らない。こっちには賭けの契約書があるんだ」

「だから、その10億は出さないって言ってるでしょ。勝手に好きなところへ取り立てに行けば?」

有村菜津美が氷のような声で返す。

工藤達央は眉を上げた。

「賭けた相手は有村夫人だ。10億は当然、有村夫人に請求する」

「もし夫人に用意できないなら、有村家と――お前にも、だ」

「いいか。10億は1円たりとも欠けちゃいけない。お前ら有村家が...

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